石音インストラクターブログ

2015/09/04

その他, 井桁健太インストラクター

事件を引き起こすもの

その人の性格・個性は盤上では棋風として表れる。
私の場合であれば、「温厚で優しさ溢れる、マザーテレサのような棋風」
といってもおかしくない。そんな「歩く世界平和」のような私であるが、
周囲に迷惑をかけてしまった事件がある。

今は囲碁インストラクターとして活動をしているものの、以前はとある会社
で営業職として働いていた。新入社員として働き始めた最初の金曜日の夜。
同期10人で、一週間の振返りをメインとした飲み会だ。
それぞれ違った部署に配属されたので、仕事の話で盛り上がる。
私はもともと人見知りの面もある。

同じ部署とはいえ、今まで付き合ったことがない世代の先輩達との一週間は、
自分でも気付かないくらい緊張していたようで、その飲み会では普段より
お酒のペースが早くなっていた。
同期もいっしょに盛り上がり、さらに楽しくなってくる。

二次会に行って、またみんなでひたすら盛り上がりながらお酒を飲む。

そして目が覚めた時には、私はとある駅のホームで横になっていた。
後で同期が言うには、二件目を出た後で、近くのラーメン屋の看板に攻撃も
していたらしい。新入社員としての社会人ライフはそんなスタートだった。

時は経ち、私はその会社を退職することになった。
今度は同じ部署の上司や先輩が送別会を開いてくれたのである。

新たな一歩を踏み出す私に、先輩は色々と励ましてくれて、一人ひとり
いっしょにお酒を飲んだ。上司も私の今後を応援してくれた。その途中で、
店主が大きな盃を持って来た。相撲で優勝した関取が飲んでいるような盃の、
少し小さいサイズではあったが、もちろん十分に大きい。
どうやら店主さんが気遣ってくれたようで、
日本酒をそれに入れて持ってきてくれたのだった。その場にいた全員で
少しずつ回しながら飲んでいたのだが、トリを務めるのは誰か。

もちろん送別会主役の私である。

そういう流れの時には、だいたい予想を上回った量のお酒が残っている。
多少びびりながらも、上司、先輩、そして会社への感謝の気持ちを
抱きながら盃を空にした。

その後、私は二次会にも参加した。
日本酒というのは囲碁で言う「利かし」のような効力があって、
すぐには酔わないが次第に酔いが回ってくるものである。
そして目が覚めた時には、私はタクシーの運転手さんに大きな声で
起こされていた。後で先輩が言うには、二件目を出た後で、近くの道路で
横になろうとしていたらしい。
そんな締めくくりをして会社を辞めたのである。

これだけ聞くとお酒ばかり飲んでいるように見えるかもしれないが、
冒頭でも述べた様に、普段の私は温厚で優しさに満ち溢れている。

その人の性格・個性は盤上では棋風として表れる。
某酒造メーカー主催の囲碁大会があるが、今後出場する際には盤上でも
事件を起こさないよう、十分に気をつけて臨もうと心に決めている。

 

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