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席亭ブログ

  • その他

    仏像に会いたい

    湖北の向源寺で国宝の十一面観音に向いあったとき、
    解説のお寺の方から伺った話が心に残った。

    この観音様は10年ほど前、東博に出品したが
    そのときは仏像ではなく、美術品にして出したという。

    えっ何が違うの?

    僕の疑問に丁寧に答えてくださった。

    仏像はお寺から出すことはできない。
    だから性根を抜いてから運び出す。

    性根を抜くとは仏像の魂を抜くことで、仏像にむかって
    お経を読む作法のようだ。それを経て仏像は美術品となり
    お寺を出られる。

    仏像のお顔や身体を掃除するときも
    性根抜きは欠かせないという。

    仏像は出来る限りそのお寺で会いたい。
    いままでその思いを強くもっていたが、
    一つの答えをもらった気がして嬉しくなった。

    僕は美術品ではなく仏像に会いたい。


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  • その他

    寅さんを訪ねて

    男はつらいよ第47作『拝啓 車寅次郎様』の舞台となった
    滋賀長浜にやってきた。

    寅さんの甥満男と菜穂さん(牧瀬里穂)が歩いた大通寺参道を歩き、
    名物の「焼鯖ソーメン」に舌鼓をうち黒壁エリアの散策を楽しんだ。

    天気はあいにくみぞれまじりの雨で、楽しみにしていた竹生島への
    クルーズも運行休止だったが、長浜のあとは湖北エリアのお寺巡り
    (向源寺、石道寺、鶏足寺、木之本地蔵院)を楽しんだ。

    年末のシーズンオフで荒天ということもあり、
    彫刻史上最高傑作といわれる向源寺の国宝十一面観音像をはじめ、
    四カ所どこも貸切状態で、係の人から30分つきっきりで
    説明を受ける幸運に恵まれた。


    寅さん

  • 囲碁 教え方

    一番教えたいこと

    教えるときに一番教えたいものは何か。
    考えたことがあるだろうか。

    囲碁の場合は、ルール、布石、定石、手筋など、盤上に関する知識や
    テクニックはそれこそごまんとある。

    しかし僕が一番教えたいのはそれではない。

    「自信」だ。

    とにかく自信を教えたい。

    自分が持っているポジティブなエネルギーに気づいてもらう。
    教えるときはこれに一番気を配りたい。

    ここさえクリアできれば、必要な知識やテクニックは覚えも早くなり、
    忘れてもそれをネガティブにとらえない心のゆとりが生まれる。

    しかし「教える=覚えてもらう」の公式に従うと、
    人間だから「忘れる」がセットになる。
    「忘れる」への恐怖を植え付けてしまい、一番大事な「考える」に
    頭が向かなくなる。その結果、上達につながらない。

    では自信をどう教えるのか。

    まず相手を知ることがスタートだ。
    そして相手が発する言葉に耳を傾け、
    自分が発する言葉もその人向けに選ぶ。

    その地道な繰り返しにしか答えはない。

  • シニア

    奈良からの贈り物

    石音歴10年のシニア女性からプレゼントが届いた。

    息子さんが経営するチョコ専門店から
    石音インストラクターと席亭宛てに12箱だ。

    今まで何度もこうして頂戴している。
    石音で楽しんで頂いている気持ちが伝わってきて、
    席亭として毎回嬉しさがこみあげる。

    チョコは「バーマンズチョコレート」という。
    息子さんの造語だそうで、バーテンダーが造ったとても洋酒な生チョコだ。
    バレンタイン前には日本橋三越や新宿小田急でも買えるらしい。

    今日は午後、渋谷で囲碁教室『上達の約束』があった。
    早速メンバー4名と我々講師2名で極上のチョコを頂いた。

    まったくクリスマス色がなかった盤側に
    一瞬華やかな空気と笑顔が広がった。

    *バーマンズチョコレート
    http://www.bar-choco.com/page/1

  • その他

    似たもの同士

    間もなく4回目の年男となる。そう、僕は戌年だ。

    しかし今までの人生、犬とは全くといって接点がなかった。
    苦手意識は特にないが、飼いたいとか、かわいいといった感情を
    もったことはなかった。

    今日、つれの姪っ子に自宅に招かれたらペットとして届いたばかりの
    生後3ヶ月の子犬がいた。トイプードルとマルチーズのハーフらしい。

    5歳の女の子に、だっこしてごらんと言われて、恐る恐る抱いてみる。
    慣れていないので不安定感抜群だ。

    「似たもの同士だね~」

    というつれの台詞に気の利いた返しをする余裕もない。

    しかししっぽをふりながら喜んでいる様子を見るうちに、
    かわいいなぁと素直に思った。

    動物のお腹をかかえると、当たり前だが鼓動や呼吸が手に伝わってくる。
    生き物と触れ合うのは久しぶりだが楽しくなってきた。

    2時間後、ケージの前に陣取り、子犬の一挙手一投足を
    じっと観察する僕がいた。


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