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席亭ブログ

囲碁 全般

すごさの伝達

二度目の井山七冠が誕生した。

将棋の羽生七冠誕生のときを思いだす。
たしか一度目の七冠挑戦を失敗して、そのあと1年、六冠全部防衛して
残る一つの挑戦者になって達成した。

20年前のあの時、劇的なストーリーに激しく心を奪われた。
今回はそれに「ガツン」という衝撃が加わった。
将棋と囲碁ではタイトル数はほぼ同じだが、棋士の数が3倍違うのだ。

将棋も囲碁も関心が薄い妻が言う。
「それって藤井さんの29連勝と比べてどうなの」

それよりは確実に凄いんだ。
井山はこの1年、タイトル戦で同じ29局戦っているけど5敗しかしてない。
同じ29局でも相手のレベルが桁違いだからね。

力説すればするほど、相手に伝わってない感がこちらに伝わってくる。

「でも世間は七冠よりも29連勝のほうがすごいって思ってるわよ。
わかりやすいから」

そう、すごさの伝達はロジックではなく感性なんだ。 
そして良質なストーリーも必要だ。

優れた表現者が現れるのを待つことにしよう。