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席亭ブログ

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シャレの通じない人

『男はつらいよ』の寅さんは、結婚するとか冗談を飛ばすたびに
本気で信じてしまう身内を、「シャレが通じないなぁ」と嘆いたものだ。

僕はいつも身内に対して冗談ばかり言ってるのがまずいのか、
「本気が通じないなぁ」と逆である。

しかし一歩外に出ると、いつもの冗談?が通じなかったことを想いだす。

ある暑い夏の日、家の玄関前で、新調したばかりのサングラスが
胸ポケットからなくなっているのに気がついた。

どこかで落としたのかなと道を探しに戻るも見つからない。
仕方がないので近くの交番で遺失物届けを出した。

「えっとどんなサングラス?特徴は?」
メモをとりながらお巡りさんは聞く。

「ポリスです」

「えーとポリスね、はい」
(何だよ、スルーかぁ)

新調したサングラスはお気に入りのブランド「ポリス」だった。
あの時の完全スルーは忘れない。

もう一つ。

昨夏、人生初の入院・手術を経験した。
手術前の検査入院のとき、全身麻酔の耐性を見るのか肺活量を測った。
たぶん人生初の測定だ。

結果は6,300ccもあった。
僕の身長体重から割り出す標準の140%。
念のため2度測定したお医者さんは言った。

「すごいねー。年間で7千人ぐらい見てるけど10人いるかどうかの
肺活量ですよ。あなたお仕事か趣味で激しくスポーツしてるでしょ」

「いえ、どちらも囲碁です」

「…。あっそう。では検査はこれでおしまいです」
(なんだ、スルーかよ)

シャレは通じたほうがいいのか、通じないほうがいいのか
いまだ答えは出ていない。