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席亭ブログ

2017年11月の席亭ブログ

  • 囲碁 全般

    静かなトラブル

    今夜はひさしぶりに自社サーバーがダウンした。
    ここ1年ほど安定していたので、不意打ちをくらった格好だ。

    ダウンしたのが21時半頃で
    僕が異変に気づいたのがその20分後。
    あわててシステム会社に電話して22時頃に復旧した。

    今夜は電話もメールもなかったので気づくのが遅れたのだ。

    サーバーが停止すると対局が途中で出来なくなる。
    いつもならその直後からお客さんからの電話が鳴りやまない。

    僕は四六時中ネット上で監視しているわけではないが、
    今まではその電話でトラブルを即座に知ることが出来た。

    しかし今夜は電話が鳴らなかった。

    石音サーバーのトラブルを、自分のパソコンのトラブルと勘違いして
    いつも真っ先に電話をかけてきた京都のKさん。

    今夜も大変だろうけど頑張ってね、という電話を
    毎回一呼吸おいてかけてくれた常連のFさん。

    石音の取締役、つまり内輪なのに、いまの対局の記録はどうなるんだ、
    とお客さんと同じ目線で怒ってくれたSさん。

    3人とも今はいない。

    静かなトラブルは、本当ならほっとしていいはずだった。
    だが、予期せぬ寂しい気持ちが残った。

  • その他

    もっと伝えたい

    今日は横浜の崎陽軒本店で講演だった。
    専門学校教職員の方々の「永年勤続表彰」の場ということもあり、
    こんな話から始めた。

    ***************
    僕は会社を経営して13年目になるが、
    継続には『動機の経営』が大切だと感じている。

    20代の頃はビジネスの右も左もわからず
    「正しいか正しくないか」で動いていた。

    30代になって社内ベンチャーを立ち上げ、
    そのあと石音を起業したあとは、とにかく
    「儲かるか儲からないか」を考える日が続いた。

    40代になって少し落ち着いたら「好きか嫌いか」に変わった。

    そしてアラフィフの今は4ステージ目、
    「伝えたいかどうか」になっている。

    仕事で一番大切にしたいことが
    「正しいか」「儲かるか」「好きか」「伝えたいか」
    の順番で変わってきたのだ。

    動機が変わっていく自分を認めてあげられたから今がある…。
    **************

    講演後、懇親会の場で何人かから、心に残った部分を教えて頂けた。
    今日はもう少し話す内容をしぼって、ひとつひとつを深堀りしたほうが
    よかった、と自己採点ではまだまだ合格点には達していないが、
    少しでも届いたものがあったのは素直に嬉しい。

    そして「もっと伝えたい」という思いが沸いた。
    4ステージ目の動機がさらに強まった日になった。

    201711

  • その他

    講演前夜

    準備がいつもギリギリになるのは、周囲に呆れられているが治らない。

    実は、万全の準備をしないほうが聴衆に敬意を表することになる、
    と思っている。

    それがもし事実としても、自分のものぐさな態度の言い訳に
    使っているだけだ、とこっそり白状しておこう。

    明日は神奈川の専門学校の先生70名の前で
    『目のつけどころの鍛え方』を話す機会を頂いている。

    今年は既に高校生、大学生、ビジネスマン、シニアは経験済だが、
    先生は初めてだ。年代も20代から60代までと幅広く男女半々だという。

    先生達の前で自分が何を話し、何を感じるのか、
    いまから楽しみでワクワクしている。

  • 囲碁 教え方

    約束は2人でするもの

    今月から始めている囲碁教室『上達の約束』に5人目のメンバーが加わった。

    13時半渋谷の待ち合わせに、朝7時40分のバスで
    茨城県から遠路お越し頂いた。

    高校の先生で囲碁部の顧問だという。
    しかし囲碁が得意だから顧問になったわけではないそうだ。

    僕が成長していくところを見せないと生徒が誰もついてこない、
    と熱く語る姿に心をうたれた。

    名刺を見ると、名前の横にAIと自分が囲碁を打つ絵が描かれていて、
    茶目っ気の向こうに本気度がうかがえる。

    これからが本当に楽しみだ。
    そして僕らを選んで頂いたことに感謝しかない。

    その方には「囲碁を楽しむこと」を約束してもらおう。
    僕らは「囲碁が好きになって上達すること」を約束しよう。

    約束は2人でするものだから。

    *囲碁教室の新しいカタチ『上達の約束』
    https://peraichi.com/landing_pages/view/jotatsu-promise-igo

  • 囲碁 全般

    読書のきっかけ

    タイトル戦で記者が現場で書くものといえば、
    新聞掲載の観戦記事と相場はきまっている。
    だがそれが芥川賞を獲ったとすれば、刮目に値する話だ。

    将棋タイトルの最高峰、名人戦の舞台が高野山の金剛峯寺に
    セットされたのは、昭和23年のことだった。

    29歳の升田名人に24歳の大山が挑戦する名人戦の担当だった
    毎日新聞学芸部副部長は、将棋そっちのけで決戦の舞台の2階で
    小説を執筆していた。

    『闘牛』は2年後、芥川賞を受賞した。
    小説家・井上靖は、高野山の将棋名人戦で誕生したのだ。

    まるで高尾―井山の囲碁名人戦で、担当記者、又吉直樹が
    『火花』を書いていたみたいな話だが、それを知って以来、
    僕の中で彼の著作を読んでみようというボルテージが一段あがった。

    いつかいつかと思いながら、自分の中でずっとそのきっかけを待っている本。
    数えたことはないが、数十冊はあるだろう。

    その一冊、『天平の甍』にじっくり向き合ってみた。
    年末に琵琶湖周辺を歩くつもりなので、次は『星と祭り』も読んでみたい。