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席亭ブログ

2018年1月の席亭ブログ

  • シニア

    つっこまない限度

    うちの母に限らず、加齢とともに
    「言いたいことはわかるけど、それじゃないんだよなぁ」
    ということが増えてくる。

    こちらもいちいちつっこまずに、勝手に「変換」して理解する癖がつく。

    2年前に出版したとき、母の第一声を覚えている。

    ―どうせあなたの本なんて売れないんだから
     本屋さんに頼んで『花火』のそばにでも置いてもらいなさい。

    これはいいとしても、ものには限度というものがある。
    いつだったか、電話のついでに小学一年生の姪っ子(孫)の話になった。

    ―最近の小学生はすごいわよ。帰宅のときに学校の門を出ると
     「いま門を出ました」ってお知らせがお母さんにくるらしいの。
     あれなんて言ったかしら。そうだ、きっとJアラートがついてるんだわ。

    日本中が真剣に心配しているものとGPSを間違えるとは不謹慎だ。
    放置しておくとほかでも言いふらしそうだから、
    久しぶりにつっこもうかと思ったが、結局やめた。

    この3文字も少ししたらすぐ別のものに置き換わってしまうに違いない。

  • その他

    静かな活躍

    最近テレビをつけると「静かな番組」に
    チャンネルをあわせることが多くなった。

    タレントや俳優が少々大げさにコメントする番組は避けてしまう。
    加齢に伴う自然現象なのだろう。

    元旦の朝、NHKをつけていると、好みの静かなトーンで
    ある番組が始まった。

    『2時間でまわる伊勢神宮』

    飽きさせないスピーディーな展開と
    元旦らしい厳かな雰囲気に魅かれて、
    お雑煮とおせちを食べ終わったあとも最後まで見続けた。

    番組が終わり、さてテレビを消して年賀状をとりにいくかと
    立ち上がったそのとき、エンドロール最後の
    「統括ディレクター」のところで目がとまった。

    3歳年下の大学テニスサークルの後輩だった。
    NHKで数少ない女性ディレクターとして頑張っていることは
    知っていたが、元旦朝の番組を任せられるとはびっくりだ。

    嬉しくなって早速メールした。
    番組をつくりながら私自身も色々と学びました、
    とすぐ返信がきた。

    普段は気に留めることもない番組のエンドロールに
    「静かな活躍」が隠れていることを知った。

  • シニア

    友達のおうち

    今日は実家で両親や弟家族とも会い賑やかな一日となった。

    弟家族は広島旅行から帰ったばかりだった。
    厳島神社では5歳になったばかりの姪っ子が能舞台を見て

    「明おじさんの友達のおうちといっしょだね」

    と言ったそうでびっくりした。

    一昨日ブログで紹介した住職に西本願寺の重文と国宝の能舞台を
    案内して頂いたのが1年半前で、彼女がまだ3歳のときだ。

    2歳上のお姉さんと2人で能舞台をじっと眺めていたが、
    彼女たちなりにしっかり記憶に残していたのだ。

    なにより30歳離れた住職と僕が、彼女から見て
    「ともだち」だったことが嬉しかった。


    西本願寺

  • その他

    大福梅

    今年の元旦の朝は『大福梅』から始まった。
    京都の北野天満宮で配られる正月の縁起物だ。

    境内には50種1500本もの梅があり、
    毎年2-3トンとれる梅を樽で塩漬けたあと
    天日干してつくられる。

    元旦の朝のお茶にいれて招福息災を祈願する習慣は
    平安時代から続いているという。

    伏見にお住まいの石音メンバーの方から送って頂いた。

    ゆっくり飲むにつれて梅の酸味と塩気が強くなり、
    自然と背筋が伸びて身体が目を覚ました。

    素敵な贈り物で始まった2018年。
    感謝の気持ちでスタート出来て幸せだ。


    大福梅