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席亭ブログ

2023年10月の席亭ブログ

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    下呂温泉に4泊したあとは、名古屋の大学でデザインを教えている旧友と
    杯をかわした。20年前、石音を創業する前後の数年間、一緒に戦った
    仲間だ。短く濃い時間のあと長い空白をおいての再会は、盛り上がる。
    勝手に「プリンの法則」と呼んでいる。

    濃い時間がカラメルで空白の期間が黄身の部分。この比率が丁度いいと
    混ぜて食べるとうまい。そんな宴だった。
    昔の仲間は増えない。プリンの数も限られている。

    旅の6日目、一目散に東京に戻るのは惜しい気がして、静岡に寄った。
    訪れたことがなかった久能山東照宮は駅から3時間もあれば往復できた。
    全国にいくつかある家康の墓の中で、ここが一番「本物」、つまり
    彼が眠っている可能性が高いそうだ。囲碁を生業とするものとして、
    囲碁の創業者ともいえる彼の前で手をあわせられたのはよかった。

    翌朝、ホテルの朝食が6時半と早めだったので、7時半には車中の人
    となった。朝陽に輝く富士を上り電車から眺めながらふと思った。
    一週間におよぶ一人旅はいつ以来だろう。もしかして学生以来…。

    朝9時に帰宅すると、驚いたつれはひとこと。
    昨日泊まる必要あったの?

    もっともな指摘ながら、言われるまで全く気づかなかった。

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    「男はつらいよ」を見始めたのは40代にはいってからだ。
    全48作を10年間で3回ずつぐらいは見ただろうか。

    ここ数年旅先で、「ここ寅さん来たかな」と調べるようになった。
    ロケ地には大観光地はあまり選ばれず、むしろ、あまり知られていない
    場所が多い。木曽の奈良井宿や滋賀長浜、三重の賢島や丹後の伊根など
    帰宅したあとに気づいて、映画を一時停止しながら見たものだ。

    先日の下呂温泉でも、まぁここには来てないだろうなと思いつつ
    ランチのほうば焼定食を食べながらスマホで調べてみて驚いた。
    その店の目の前の橋で、寅さんがバイしていたのだ。

    第45作のエンディング、マドンナが風吹ジュンで、弟の永瀬正敏が
    新婚旅行先で偶然バイする寅さんと出会ったのが、この橋だった。

    「男はつらいよ」第45作ロケ地
    https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/location/424/

    30年前とかわらず同じ建物が写っている!
    と嬉しくなって思わず撮った。

    狙っていないと、いいことがあるものだ。

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    週に何度かの散歩や、たまに出かけるぶらり旅を綴ってみたい。

    キーワードは「無計画」。
    単なる計画ナシではなく、意志をもった、狙った無計画だ。
    「無計画をたてる!」といばってはみるが、つれの反応は薄い。

    さて先週はひとり下呂温泉に4泊、名古屋、静岡に1泊ずつしてきた。
    名目は一応「仕事」だ。ワーケーションなる便利な言葉が出来たのは
    好都合だった。

    下呂に来たのは初めてだが、草津、有馬とならぶ日本三名泉の一つとは
    知らなかった。別府や箱根は怒らないのだろうか。

    街中には至るところに足湯がある。温泉博物館もある。
    道にはまだところどころ雪が残っていて日陰は凍っている。
    自分のトークと同じで、すべらないようにするのが大変だ。

    ししなべのランチで身体が温まったので、ちょっと足をのばす。
    173段の階段をのぼり「温泉寺(おんせんじ)」に行ってみた。

    詳しくは最下部リンク先を参照頂きたいが、全国各所のお寺巡りを
    楽しんでいる目から見てもここはユニークだった。

    湯薬師如来、通称「湯掛薬師」が鎮座していた。
    座った下からこんこんと湯が沸いている。源泉かけ流しの如来だ。
    お参りの際、自分の不調の部分にお湯をかけると治るという。
    温泉を手ですくい、腰のあたりにかける。腰よりもかじかんだ手が
    すぐに喜ぶのを感じた。ふだんの行いから頂く功徳だろうか。

    もっと境内を歩いてまわりたかったが、いかんせん、一面凍った雪で
    怖くて坂道には入れず残念だった。

    ここも当地の名所の一つだろうが、水曜午後2時、階段、道すがら含め
    誰にも会わず、湧き出したお湯が落ちる音以外聞こえない、
    静かなお参りとなった。

    温泉寺(下呂温泉)http://www.onsenji.jp/about/index.html