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席亭ブログ
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シニア
遅いわね
あやうく忘れるところだった。20時少し前に電話した。
まだ寝るには少し早いはずだ。「いよいよ節目の歳に突入したね。おめでとう」
「あら、遅いわね。朝から“グーグルハングアウト”で
3人は連絡してきたわよ」この夏、妹に手とり足とり教わって、スカイプに続く
もう一つの武器を手にした母は、ちょっと得意げに
その名を口にした。長めのカタカナを正確に言えたのには驚いた。
先日も焼肉鉄板の新兵器「ザイグルボーイ」を数日間、
「ザイール、ザイール」と連呼していた。3人とはアメリカに住む妹とその娘たちだ。
「Hanaちゃんがね、
『おばあちゃん誕生日おめでとう。75歳に見えない、35歳に見えるよ』
といってきたのよ。だからね、
『あらかわいいわね。ありがとう』
と返事しておいたわ」女性の歳を40も下に言うのは、日米通じてなかなか
お目にかかれないが、それを真に受けるのはさらに珍しい。今度Hanaに会ったら、そういう時は10歳ぐらい下を言うもんだよと
「日本の常識」を教えておこう。母の矯正はもう手遅れだが。うちは昔、夏の最後が「バースデーウィーク」だった。
母の誕生日の5日後が僕でその翌日が妹、と5人家族のうち3人が
1週間に入っている。昨年の僕の誕生日のことだ。
母から電話はあったのだが、いつものマシンガントークで
自分の近況報告と僕の健康伺いを済ませたらそのまま電話がきれた。
軽くずっこけた。翌日妹に指摘されて気づいたのだろう。
2日続けて電話があった。「あらあなた、昨日誕生日だったのね。おめでとう」
そんな1年前のことを1mmも覚えていない母は、今年、
「当日」に電話した僕に第一声、「遅いわね」と言った。来年の夏の終わりがまた楽しみだ。
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シニア
小さな一歩
2月から毎月開催しているセミナーが
6月から中野区後援となった。20万部発行の区報の効果もあったようだ。
いままで10名弱だったが、今回は40代から80代まで
20名ほどが集まった。記事を見つけた奥様に背中を押されてきた77歳の方。
区内で総合インテリアを営む60代の経営者。
シニアの紹介業に興味のある40代のキャリアコンサルタント。懇親会で目を輝かせて未来を語るシニアの力が、近い将来、
実際に企業の力になって活きる。小さな記事から小さな一歩が始まった。
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シニア
会わせたかった人
親父にずっと会わせたかった人がいた。
週6日スポーツクラブのプールで歩いているらしく、
足腰の心配は当面なさそうだが、初めてのところを独りでは
やはり不安だ。一昨年、緑内障の手術をして以来、何とか踏みとどまってはいるが、
先日もうちのマンションのホールで、柱に激突してしまった。
床と柱の色が白っぽく似ていた。「父の日」のおかげでプレゼンターの顔ができたが、
梅雨の晴れ間に一緒に歩いたひと時は
実は自分へのプレゼントだった。 -
囲碁 全般, シニア
銘盤参上!
―これは預かっておいてほしいんだ。
まぁあげることになるとは思うけど。先日頂いた全集と一緒に我が家に到着したのは
桐の箱に入った本榧四寸盤と碁石。
40年ほど前に、Kさんが坂田栄男二十三世本因坊の奥様から
頂いたものだという逸品だ。久しぶりに外気に触れるのだろう。
箱をあけるとふわっと榧の香りが部屋にひろがった。
木が深呼吸して喜んでいるようだ。いま家づくりの真っ最中だが、来年2月、新居の和室で
存在感を示してくれるにちがいない。
自宅で開く小さな囲碁教室でも活躍してくれるだろう。―ずっと、大事に預からせて頂きます。
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囲碁 全般, シニア
全巻集合!
―ちょっと悪いんだけどさ、車で取りにきてくれないかな。
今朝10時すぎに久しぶりにKさんから電話があった。
当ブログでも何度か紹介した、同じ会社の囲碁部だった79歳の方だ。
最近2,3カ月に一度、ランチに誘って頂いている。
間もなく一軒家を売ってマンションに引越すため、
かさばる本と碁盤を取りにきてほしいという。
Kさんの家に行くのは2度目だ。
車を飛ばして昼まえに到着すると、既に縁側に段ボールが2箱、
庭のなつみかんがいっぱいはいった紙袋が2袋と、
古い桐の箱にはいった碁盤と碁石が置いてあった。
―この本はね、売らないでずっと持っていてくれそうな人に渡そうと思ってたんだ。
全巻個人で持っている人はあまりいないと思うよ。
もちろん一生大事にします。ありがとうございます。
37年前発刊の『現代囲碁大系』全47巻が47歳の僕の本棚に揃った。