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席亭ブログ
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シニア
お茶の催促
「この前はすみませんでした。主人にこれとこれを根本さんに
出して頂戴ね、と何度もいっておいたのですが」87歳のシニアの御宅にうかがう頻度が最近増えている。
先月は9回訪問した。奥様が外出のときは、事前に冷蔵庫にお菓子を用意してくださっている。
それをご主人はしばしば忘れるのだ。奥様は笑って言う。
「こんど私がいないときは、『なにか出すのをわすれていませんか』
と主人にちゃんと言ってくださいね」お宅に伺うようになってからもうすぐ10年がたつ。
まだ「お茶の催促」ができる域には達していない。だが近いところまではきているかもしれない。
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シニア
キャリアよりキャラ
プロフィール欄に、選挙に出て落選したことが書いてある人がいた。
くすっと笑ったが、これはわかる。
選挙に出ること自体がアピールになる。だがふつう、履歴書に、「〇〇大学受験失敗」とか
「事業で失敗して〇億損失」と書く人はいない。
挫折は職歴にはあらわれない。現役時代の華やかな職歴を武器に、企業の顧問につくシニアがいる。
だが定着することは少ないそうだ。職歴至上主義の弊害だ。大企業出身者が中小企業の顧問となる場合、
舞台の大きさも文化もことなる仕事場で輝けるかどうかは、
知識や華々しい実績よりも、人間力が決め手になる。いままでいかに挫折を経験して、それを自分の力で乗り越えてきたか。
いま、社会でシニアに求められているのはそんな力や経験なのだろう。
「キャリアよりもキャラ」
そんな視点で選べる場を創りたい。
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シニア
よみがえる記憶
今日は東京商工会議所(東商)の中野支部を訪問した。
これから1年間、毎月開催するセミナー
『シニアを活かす目のつけどころ』の後援をお願いした。担当者と話をしながら、ふと思い出した。
今から15年ほど前、僕は大阪商工会議所(大商)に
毎週のように出向いていた。大商は当時、全国の商工会議所に先駆けて最大規模の
ビジネスモールをネット上に持っていた。僕の会社は、商流をネットに乗せる数少ない実例として
紙のネット取引市場を運営していたので、大商と提携して近畿圏をまわった。
最初の1年は出張が30回を越えた。新しいことをするときは自分ひとりでやろうとせず、
できるだけ動きまわり、広く仲間を募る。15年前は「商流をネット上に」で大商からだったが、
今回は「シニアの力を社会に」で東商中野支部から始まる。よみがえる記憶が、いま、自分をワクワクさせている。
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その他, シニア
理路雑然
明日は2週間前と同じ中野で講演だ。
規模は小さく10名程度の座談会になるだろう。前回は「よどみなく話すぎる」といわれた。
初めてもらった指摘だがそのとおりだ。聞く側の感情の起伏を生んでこそ記憶にねばり、
言いたいことも届く。
さらさら~と理路整然と話してはダメなのだ。気合が空回り気味だった前回の反省を活かし、緩急をつけて、
「いい加減に」「理路雑然」としたトークを目指そう。いつものように。
*セミナー『名脇役が生まれる日』
http://ictco.jp/syousai.html?id=294 -
囲碁 教え方, シニア
忘れないように、メモとらないで
87歳のシニアにPC指導をして8年が経つが、最近気がついた。
メモをとらせてはいけない。
コピーペーストや印刷、メール送信など、基本操作を
何度も何度も繰り返し教えてきた。
その都度しっかりメモをとるのを見て安心した。それは間違いだった。
メモをとったことに安心して覚えない。
そもそもメモをとったことを覚えていない。
だから操作がわからないときにメモを見返さない。「忘れるために日記をつける」
94歳の作家、外山滋比古氏の至言がある。
だからこういうことになるだろう。「覚えてもらいたいことは、メモをとらせない」
いままで何で気がつかなかったのか不思議だ。
教える側が覚えておくべき基本といえる。これももちろん、メモをとらないでおこう。