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席亭ブログ

  • 囲碁 全般

    攻める前に守る

    今日は神田で囲碁教室『上達の約束』。
    新メンバーが1人加わり6名だった。現在ネット2名含めて
    11名の方がここで「上達」を目指している。

    ところでゲームやスポーツなど勝負事には
    「攻める」と「守る」がある。

    攻めるときは楽しい。囲碁でもそうだ。
    しかし「上達」を目指す上で大事なのは攻めよりも守りだ。

    レベルがあがればあがるほど、差がつくのは攻撃力ではなく
    防御力というのは、広くあてはまる。
    ボクシングのタイトル戦やテニスの決勝を見てもそうだ。

    「食べる前に飲む」 ひと昔前によく聞いたCMと同じく
    「攻める前に守る」 これも教室で繰り返し発信していこう。

    プライベートでは自分自身に対しても。

    *上達の約束 
    https://peraichi.com/landing_pages/view/jotatsu-promise-igo

    DVF

  • 囲碁 全般

    手談の世界

    僕のサイトではお試し中の方とよくデモ対局をする。
    操作に慣れてもらうのと、棋力を判定するためだ。

    今朝は小学五年生の男の子と対局した。
    大分在住で周囲に教えてくれる人がいないという。
    お父さんからメールを頂いた。

    小学生で既に五段で登録しているだけある。
    軽い指導のつもりが、気づくと僕は座りなおしていた。
    予想以上に強い。そして着手が早い。

    しかし全部の着手が早いかというとそうではない。
    こちらが「宿題」を出したときだけピタりと止まる。
    まるで野山を駆け回る小熊が、ベテラン猟師のワナの手前でだけ
    立ち止まって慎重に歩くように。

    囲碁は別名「手談」という。
    文字通り「着手で談話する」ゲームだ。

    「あなたここ守らないとだめよー」
    「いや、まだ大丈夫でしょ。それよりあなたこそ、そこ心配ないの?」
    「私のはまったく問題ないです」

    こんなやりとりが無言のまま、盤上に置いた石だけで表現されていく。

    今日はデモ対局といいながら、
    久しぶりにこうした「手の談話」を楽しんだ。

    そしてその談話の結果はどうだったのか。

    囲碁サイトなので「続きはWEBで!」



    と言いたいところだが・・・。
    大熱戦のすえ、見事に僕が討ちとられた。

  • 囲碁 全般, その他

    負けるが価値

    先日3度目からリピーターと呼ぼうという話をしたが、
    そもそも1度目がなければその先もない。

    その1度目の演出で大きな役割を果たすのは「名前」だ。

    有名な恵比寿の和食『賛否両論』はうまいネーミングと思う。

    響きの中に多少のマイナスイメージがあっても、
    堂々と宣言されるとマイナスがすっかり消えて記憶に粘る。

    『大絶賛』より『賛否両論』のほうが気になる。
    ということは、名前は負けるが勝ちなのか。

    うちの近所に最近『自意識過剰』という居酒屋が出来た。
    うるさいオヤジが焼き鳥焼いていそうで、一度会いにいきたい。

    じつは僕も、将来、自宅で小さな囲碁教室を開きたいと思っている。
    名前もひそかに決めている。

    囲碁教室『自画自賛』

    作戦はあたるだろうか。

    名前負けしないように
    とりあえずこのブログから練習をはじめておこう。

  • 囲碁 全般, シニア

    味のわからなくなる男

    昨日は前日に続いて87歳のシニア宅でPCと囲碁指導だった。

    日曜は富士山に沈む夕陽を眺めながらだったが、
    月曜は一変、吹雪の大都会が窓の外にひろがった。

    いつも対局が始まり少したった頃、奥様がお茶をいれてくださる。
    昨日は桜茶に和菓子だった。

    本当は話をしながらゆっくり味わいたいが、
    対局中は盤面に気がとられてしまう。

    それでも一口食べた瞬間、これはうまい!と思ったのは覚えている。
    桜茶の薄い塩味が和菓子の甘味をひきたてていたのも。

    しかし味の記憶はすぐに「脳の別フォルダ」に仕舞われる。
    あとでそれを取りだすことはめったにない。
    対局中、僕は「味のわからなくなる男」になる。

    昨日いただいたのは、赤坂にある和菓子の名店、『塩野』の
    生菓子であることは知っていたので、あとで調べて驚いた。

    15種類ある「1月の和菓子(1個370円)」で
    これだけ1個700円(!)の『菱葩餅(ひしはなびらもち)』だった。

    説明にはこうあった。
    求肥餅の中には赤く染めて菱形に抜いた求肥と密漬けごぼう、
    そして優しさの中にもきりっと風味のある味噌餡がはいっている。

    いまさらながら昨日の味がよみがえってきた。

    あの中にはたしかに優しい味噌がいた。
    味噌はたしかにきりっとしていた。
    包んでいた求肥はたしかにほっぺたより柔らかかった。

    あぁ、かなうことなら碁盤の前ではなくもう一度…。

    もうひとつ。
    包装をあけたとき、ごぼうを楊枝と思って最初に抜きとり、
    しずかにお皿に置いたのを思い出した。

    *御菓子司 塩野 http://www.siono.jp/201801.htm

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  • 囲碁 全般

    大きくなったらわかる

    今から10年ほど前のことだ。
    毎年夏にアメリカ西海岸サンディエゴからやってくる
    2人の姪っ子が、

    ―アンクル明、あーそーぼー!

    と僕の部屋に入ってきた。
    当時2人は4歳と5歳。僕はちょうど会員と石音で対局中だった。
    遠くから妹の声がした。

    ―華(hana)、奏(kana)、
    アンクル明はお仕事中だから邪魔しちゃだめよ。

    ―えーっ、だってアンクル明、いまゲームしてるよ。

    あの時のショックはまだ覚えている。

    そうだよな。まだわからないよな。
    でも大きくなったらわかるよ。大きくなったら。

    昨日、16歳の華(hana)から1枚の写真が送られてきた。
    彼女はいま身長172cm。たしかに大きくはなった。
    だが写真をよく見ると…。

    あの時自分に言い聞かせたのは、間違いだったかもしれない。


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