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席亭ブログ

  • 囲碁 全般

    天空流

    天空流とは僕が8年前に編み出した囲碁の打ち方だ。

    囲碁は陣地取りのゲーム。効率よく陣地が取れる
    盤の隅から打ち始めるのが常識的とされる。

    しかし天空流は、盤面の中央に近いところから打ち始める。
    囲碁ファンならば、それは宇宙流ではないの?となるだろう。

    盤面の中央にロマンを求める宇宙流は大分前から人気がある。
    しかしその宇宙流と天空流は似て非なり。
    なぜなら天空流の精神は「こだわらない」にあるからだ。

    天(中央)でもいい。地(隅)でもいい。
    相手の出方次第でこちらの打ち方を決める。

    最初に天に打って途中から隅を打つ。
    これを以前は「一貫性がない」とされた。
    天空流はそれを「柔軟性がある」ととらえている。

    今日から毎週木曜夜、僕のサイト「石音」で「天空流講座」を始めた。
    30名ぐらいのメンバーが集まって2時間、一緒にワイワイ楽しんだ。

    天空流の神髄は、本当は打ち方ではなく
    「アマチュアはもっと自由に楽しもう」にある。

    今のところここだけの秘密にしておこう。

  • 囲碁 全般

    「仲間」は終わらない

    同志であり仲間だった奴が、5日前に突然行方不明になった。
    その直前まで連絡をとりあっていたのだが、原因がわからない。

    事件、事故、それとも…。
    あらゆる可能性が頭をめぐった。

    それが先ほど、探さないでほしいという要望とあわせて無事でいるとの
    一報が警察から入った。

    ほっとしたのは言うまでもない。ご家族もさぞかし安心したことだろう。
    とにかく取返しがつかないことになっていないのは大きな、大きな喜びだ。

    悩みに気づけなかったのは悔やまれるが、
    これからまた、仲間の歴史は積み重ねられる。

    もう探しはしない。
    というより、手がかりなしで探せない。

    しかし、こんなことで「仲間」が終わりはしない。
    いつでもまた笑顔で会えると思う。
    この話をネタにして、飲める日が来ると思う。

    そんな日をゆっくり待つことにしよう。

  • 囲碁 全般

    現代囲碁大系

    久しぶりにランチを誘われた。Kさんは79歳。僕がいた商社のOBだ。
    レストランの席につくなり1冊の本を出された。

    「これ、もしずっと持っててくれるならあなたにあげようかと思って」

    随分昔の本だ。茶色く色あせたセロハン紙に包まれた箱から、
    そおっと取り出してページをめくるとほとんど読まれたことがないのがわかる。

    「囲碁がもっと強くなりたくて定期的に買ったんだが、
    買って満足しちゃってね」

    本の名は『現代囲碁大系第一巻 明治・大正名棋家集』。

    今から35年前に発刊された全集で47巻。
    なんと全部新品で揃っているという。
    当時の値段で1冊3300円。高価なものだ。

    ぜひ譲り受けて大切にしなければならない。

    「坂田栄男夫人に頂いた碁石もうちにあるんだ。これもいつかあげるよ」

    50年間は責任をもってしっかり所持します。
    そして本も碁石も、その本分を果たしてもらうようにします。

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  • 囲碁 全般

    一発屋から学ぶこと

    最近見なくなりましたが、数年前「一発屋」と呼ばれる芸人が
    出ては消えという現象が続きました。最近その理由が分かった気がします。
    彼らの芸には相手に対する「敬意」がないのです。
    (その芸人に敬意力がないということではなく芸がそうなっている)

    一発屋の芸は分かりやすさ、短さ、インパクト重視。
    と同時に時や相手を選ばずいつでも同じものです。

    一方、長く売れ続ける芸人の芸は相手に対する敬意があります。
    その日その相手だからというトークに比重を置いているのです。
    備わっているのは聞き手を飽きさせないカスタマイズ力です。

    先日のサンデージャポンで太田光がことあるごとに号泣マネしてこちら爆笑。
    事前の準備が出来ない、さんまのクリスマス電話が長寿番組なのも分かります。

    そうです。
    みんなカスタマイズを求めている!

    囲碁界に目を移すと、インストラクターが、相手が年配であれ中年であれ若者であれ、
    同じように「丁寧親切に」教えています。
    その日その相手でなければならないトーク、どれぐらいの人が実践しているでしょう。

    僕ら囲碁業界人は皆、カスタマイズ力アップを目指すべきなのです。

  • 囲碁 全般

    松があるから梅になる

    囲碁入門、無料が当たり前になりつつある。
    「松竹梅」 
    これ、松があるから梅の意味がある、梅が生きると思う。

    無料しかなければそれは「ただのタダ」。
    ブランドを下げてしまう危険もある。

    1時間5千円の囲碁入門、どんな内容だったら集まるだろう。
    提供サイドがもっと知恵を絞り、考え抜かないといけない。
    まずは無料で囲碁入門をやって。ここで思考停止してはいけない。

    無料入門で100人集めても、5千円入門で3人集めても、
    普及のゴールから見たら効果は似たようなものではないか。

    以前表参道で1年間、毎週少人数有料入門をやった。
    60分で4千円。毎回1人、2人だったが、
    3年経過した今、半数が立派な級位者、囲碁ファンに育った。

    投資セミナー。
    無料から数千円、数万円のものまで様々。
    まさに松竹梅揃ってる。
    参加者が自分の状況にあったものが選べるのは素晴らしい。

    囲碁入門、現在その「選べる価値」を提供していないのではないか。
    業界の皆さん、どう思いますか?

    「松があるから梅になる」
    そんなことをふと思う、梅雨の晴れ間の席亭です。

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