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席亭ブログ

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    縦と横

    縦のものを横にしただけで
    こんなにインパクトがあるとは思わなかった。

    創作料理でワイングラスを横にして器として
    つかっているのをある番組で観た。
    スプーンを横からいれてジュレをすくうのだ。

    その夜、縦を横にするだけで違う世界が広がるものだなぁと
    湯船に浸かりながらふりかえったとき、ふとあることを思いついた。

    湯船の入り方を、身体の向きを縦横逆にしてみる。

    もちろん、足は延ばせないどころか窮屈なあぐらをかくしかない。
    そして背中は自然と湯船の縁に圧をかけながらあたり、垂直に伸びる。

    まず驚いたのは17年住んでいて見たことのない風呂場の景色だった。

    そして、足が窮屈なのより背中が伸びるのが気持ちいい。
    呼吸も自然と深くなる。
    足を伸ばすのとは別ジャンルのリラックスが感じられた。

    下手なヨガをやっているような恰好だが
    思わぬ発見にお風呂タイムの楽しみが一つ増えた。

    「縦を横に」「横を縦に」である。

    ところでヨガの経験はほとんどないが、
    お湯の中でヨガをやるのもよさそうだ。
    YUGAと名付けられる日がくるかもしれない。

  • その他

    余白の価値

    空きスペースがあればすぐに何かで埋めたくなる。
    たくさん並べたほうが効率がいい。
    この発想を百貨店病というらしい。

    いけてるブティックは、たくさん置かない。
    余白に価値を見出している。
    余白があるからそこに目がいくのだ。

    では僕はいま、余白をつくっているだろうか。
    あれもこれもとなってないだろうか。

    もっと書きたいことがあるが、
    「その第一歩」のためにここでやめておく。

  • その他

    もっとも電車に乗った男

    関口知宏。
    彼ほど電車に乗った人はいない。

    2004年の日本最長片道切符12,000キロの旅を終えたあと、
    翌年JR全線20,000キロの旅へ。

    そのあとドイツ、イギリス、スペイン、ギリシア、
    スペイン、トルコを一周。

    そして中国一周最長片道36,000キロ、200日の大旅行。

    あまりに疲れたのだろう。8年間の「休憩」のあと最近また
    オランダ、ベルギー、チェコ、オーストリア、イタリア、
    ハンガリー、クロアチア、スウェーデン、ボルトガルも一周している。

    最初の日本一周の頃からずっと彼と一緒に旅をしてきた。
    食卓でNHKの番組を見ながらでだ。

    僕が例によって勝手に親近感を感じるのは、10年前の秋、
    北京に彼が電車で到着した日に偶然僕も北京にいた、
    というだけではない気がする。

    いきあたりばったりで偶然の出会いが続く彼の旅が、
    遠い昔の自分の旅を想いださせてくれるからだろう。

    そして彼のゆるく、温かく、優しい眼差しが好きだからだろう。

  • その他

    旅のつづき

    別冊太陽という本がある。
    雑誌サイズで迫力ある大きい写真が満載だが
    ハードカバーの写真集ほど「かちっと」はしていない。

    そんなちょっとジャケットを羽織って近所に贅沢ランチを
    しにいくような本が、本屋の棚で偶然目にとまった。

    『別冊太陽 星野道夫』

    20171114hoshino

    彼とは27年を超える付き合いだ。
    付き合いといっても、勝手にこちらがずっと親近感を
    覚えているだけだが、それには理由(ワケ)がある。

    彼が執筆中の本の構想を練りながら
    アラスカ、フェアバンクスの街を歩いているとき、
    偶然同じ日、僕もそこにいた。

    そのことを20年後、彼のエッセイを読んで知った。
    ひょっとして、あのマイナス25℃の街角ですれちがったかもしれない。
    胸が熱くなった。

    この別冊太陽、今まで何度か目にしたことのある写真と
    ふたたび会えたのも嬉しかったが、

    巻末に載る奥様の小エッセイ『旅のつづき』もよかった。

    僕もまだ、あの旅のつづきをしている。

  • その他

    いい珈琲の見分けかた

    ランチのあと、近くのカフェにはいった。
    今日で2度目の訪問だ。

    苦みの一番強い表示のある「スーパーアロマ」を希望したところ
    品切れで、次に苦いというお薦めの珈琲が出てきた。

    四谷のレストラン三国に卸している豆だという。
    開店直後でまだ暇そうなマスターが話かけてきた。

    「いい珈琲は、砂糖をいれてみるとわかりますよ。
    苦みがコクにかわります」

    いまこのテーブルに「へぇ」ボタンがあれば続けておしている。
    いい珈琲は砂糖を入れずに飲むものだと思っていた。

    「安い珈琲に砂糖をいれると、苦みは舌の両側に残って甘いだけ。
    でもいい珈琲だとしっかり一つの味になるでしょ」

    ひさしぶりに砂糖をいれて一口飲んで驚いた。
    うーむ。確かにその通りだ。

    ブラックで半分飲んだあとにスティック1本追加だから
    標準の倍の甘さのはずだ。しかしそんなに甘さは感じない。
    別の味、香りがたっている。

    イタリア人がエスプレッソに砂糖をたくさん入れる理由は
    これかもしれない。

    SMBカフェ(中野坂上・新中野)
    https://bankoku-coffee.jimdo.com/直営カフェ/