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席亭ブログ
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その他
絵になる風景
僕が感じたこの感動は、それを僕が表現しなければ
ほかの誰も感じることができないのです。片岡鶴太郎の言葉を思い出した。
彼は40歳近くで初めて筆を握ったそうだが、
きっかけは牡丹の美しさに魅せられたからだという。GW初日、根津美術館で尾形光琳の『燕子花図屏風』に会った。
300年前に光琳が何を感じたのか、背景をいっさいはぶいた
迫力ある大きな屏風を通じて伝わってきた。毎年この期間に公開しているのには理由がありそうだ。
美術館の広い庭の一角で燕子花が見ごろを迎えていた。この燕子花を描いたのか。一瞬そう思わせる力がある、
文字通り「絵になる風景」だった。![10301_2_1[1]](https://www.ishioto.jp/msup/wp-content/uploads/2025/07/10301_2_11.jpg)

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その他
およげないたいやきくん
阿佐ヶ谷の商店街を散歩していると
ふと目に留まったものがあった。『たいやきの開き』
?!
意味が一瞬わからなかった。
開いてどうするんだ~。
頭の中でつっこみの声がひびく。たいやきの皮がすきなあなたへ。
その言葉ですこし納得した。
たしかにけっこう好きかもしれない。
ただ、ちょっとかわいそうになってしまった。いきものじゃないのに。

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その他
経年進化
ハウスメーカーの人から日々、気密性、断熱性、遮音性といった
普段耳にしない言葉で営業をされている。気づくと「性能」で家を比べ始める自分がいる。
あぶない。あぶない。20年前、いや、10年前と比べても、見たことのない機能が
登場しているので目がひかれる。だがそれは、10年後、20年後も、
また新しい機能が登場するということだ。いま最新であるものに目を奪われるのは、
将来新たに登場するものが羨ましくなるということだ。そんな繰り返しの輪の中には入りたくない。
いつまでたっても古くならないもの。
いや、古くなっても、それがむしろ嬉しくなるようなもの。経年劣化する「性能」ではなく、
経年進化する「質」に目をむけて選びたい。 -
その他
tea or coffee?
「美味しいコーヒーで素敵なティータイムを」
中野駅前の看板にふと目がとまった。
そうか。コーヒーよりティーのほうが守備範囲が広いのか。
「美味しいティーで素敵なコーヒータイムを」
にはならなさそうだ。たしかに「お茶しない?」といって
本当にお茶を頼む人はあまりいない。
お茶やティーという言葉は、固有から一般までをカバーしている。では本当にティー>コーヒーなのか。
コーヒー派の僕は、もう少し考えてみた。「コーヒーブレイク」という言葉がある。
ティータイムと同じように使われることもあるが、
その意味での登場頻度はティーよりすくない。だが、飲み物や喫茶から離れて、「ちょっとひといき」といった
エッセイやコラムの名称にも使われるときは
俄然コーヒーに軍配があがる。生活における守備範囲の広さでいえば、
ティーとコーヒーは互角。というのが、
今日のティータイムで出した
コーヒーブレイクな結論だ。 -
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時のごちそう
『坐忘』:静坐し現前の世界を忘れる。
一昨日訪れた笛吹川沿いの宿は、仏教用語から素敵な名前をつけていた。
心地よい和の設えで至福のひとときを楽しんだ。広いラウンジが素晴らしかったな。
朝食が美味しかったな。
いい湯だったな。いまも余韻が残る。
だがこれらは時とともに薄れていくだろう。
ほかの宿の記憶に上書きされることもあるだろう。いっぽう、義理の両親に予想以上に喜んでもらえたことは、
時とともに記憶が濃くなっていく予感がする。「時のごちそう」
とはこういうことなのかもしれない。