石音インストラクターブログ

2015/07/24

囲碁, 長谷俊インストラクター

長谷インのグローバル囲碁旅行記 台湾編その2

皆さんこんにちは。
日本人有段者、海外初心者の長谷インです。
前回は台湾に着くところまでの話を書かせていただきました。
この先の展開は皆さんお察しだと思いますが、想像以上に不甲斐ない展開になります。
今回は言い訳半分以上の内容でお送りしたいと思います。

「到着後〜二日目、ひとならざる者」

台湾に到着後、入国カードを記載していなかったため、若干の足止めを喰らって
しまいました。その間に日本人観光客、および帰国してきた台湾の方々との集団から
離れてしまうことになります。こうなると得意技「人の後に何となくついて行く」ことが
できなくなり、ここからは単独行動になります。
(※そもそも一人旅ですが。)

高速バスで台北市内の「忠孝復興駅」を目指すことになりますが、チケットを買うところで
危惧していた問題が発生しました。
「忠孝復興駅までのチケットをください。」
と言えないことです。

そもそも漢字が分かっても発音ができなければぐうの音も出ないわけで、台湾人の
ちょっと怖いおじさんに話しかけるのはまあハードルがあるわけですね。
隣に「台北駅(メインステーション)」行きのチケット売り場があって、
こちらは台北市内の「忠孝復興駅」行きとなっています。

ちなみに両替所ではお金を差し出せば向こうもすぐに理解してくれましたが、
チケットは三つくらい行き先があったので意思表示しないとどうすることもできません。
とりあえず台北と書いてあってので「台北(taipei)」と言うと、おじさん「隣だよ」
的なポーズ。どっちも台北と書いてあるのですが、一方は台北駅で自分が行きたいのは
台北市内の忠孝復興駅なわけです。

ここで何とかならないものかと思考を巡らせて少々グダグダ。

よくこんなところでつまずけるなと皆さんお思いでしょうが、長谷インには
「人見知り機能」が標準搭載されていることを忘れてはいけません。
囲碁の世界では「ちょっと図々しいお調子者」で通っていますが、外に出ると
コミュニケーションがまともに取れない今どき(?)の若者になってしまいます。

さて、スタート地点でつまずいてしまった長谷イン(のび太)はこのあと
どうしたのでしょうか?

①ドラえもんに助けを求める。
②道具に頼る。
③早くも野垂れ死ぬ。

だいたい海外初心者ののび太(=眼鏡)がドラえもんの助けもなく生きて行けるわけが
ありません。ここで良いことを思い出しました。最低限準備した中に宿泊先の
ゲストハウスの道順をプリントアウトしていたこと。しかも送られてきた道順のメールには
チケットの買い方も書いてありました。

「我想去忠孝復興站(巴土)」

「これだ!」とやっと打開策を見つけてテンションが上がりました。
これを見せればあとは一発ですね、ちょっと怖いおじさんは親切にも簡易ガイドに
目的地の印を付けてくれました。
とまあ、最初の一歩でこの調子ですから先が思いやられるわけです。

バス(巴土)に乗って約一時間、忠孝復興駅(站)を目指します。
ここに来て、昨日ろくに眠れなかったことと、長い移動の疲れが出てきました。
しかし電池の切れそうな携帯で時間を確認しながら、長谷インは一片の油断もしていません。
なぜなら迷子機能フル装備の自分が目的のバス停を乗り過ごしたら、戻る自信が
まったくないからです。時刻は20時半くらいだったでしょうか。(時差ちょうど一時間)

ちなみに時刻表示はすべて日本時間です、持っていた携帯がずっと日本時間の表示
だったので。駅に着くのが台湾時間で20時半くらいですから、夜迷子になると
目も当てられません。このときは旅行中で一番集中していました。

これから何度もやばい場面に遭遇しますが、このときが一番体力、知力、精神力ともに
充実していて頭が冴えていました。後に暑さにやられて、すべてのステータスが
無に帰してHP0の瀕死の状態に追い込まれます。
(※HP=ヒットポイント、HP≠ホームページ)

台湾のバスは降りる駅で降車ボタンを押さないと止まってくれないと事前に調べていたので
近づくにつれて緊張感が増して行きました。さっきおじさんが印を付けてくれたので、
方向音痴&地図音痴の自分でも何とかなりそうだなと思いつつも不安を抱かずには
いられません。結局、忠孝復興駅が思っていたよりも大きな駅だったため
無事降車することができました。

ここから宿を目指すわけですが、地図と道が分かりやすかったのでここは難なく
指定の電話ボックスまで向かえました。5元入れて電話、日本人宿なので日本人の
管理人さんが迎えに来てくれました。ここでようやく一安心です、
「セーブポイントを確保したのでここから先は楽勝だろう」
とまたも楽観主義の能天気思考になっています。

宿泊先は「台北ゲストハウス101」です。興味のある方はHPを見てみてください、
臨時ドミトリー(カーテン部屋)で一泊300元(1200円)です。
(※HP=ホームページ、HP≠体力)

自分としては宿泊中何の不満もなく、まあお値段相応の環境だったわけですが、
皆さんからしたらとても泊まれるような場所ではありません。幸運なことにカーテン部屋の
宿泊客が自分一人だけだったので、余計な気を遣わずに済みました。
ただし、カーテン部屋がさらにカーテンで仕切られていて、二段ベットの下の寝るところ
以外はまったくスペースがありません。
分かりやすく例えると潜水艦の中で寝るようなものです。(←何となく)
しかもカーテン部屋にはエアコンがないため扇風機を使うのですが、これが中、強、強
しかないため(微風なし)寝るとき結構うるさいのです。ほかの部屋の方にも迷惑かな
と思い、初日はほとんど使わずに過ごしました。

寝床は二段ベットの下段で、あとは扇風機が一台やっと置けるような通るのに
ひと苦労するスペースしかなく、さらに窓がないので朝方日光が差しません。
これは寝るところさえあれば良いという自分だからこそ余裕で泊まれるわけで、
皆さんには想像しがたい環境でしょう。もちろん風呂とトイレは共用でユニットバスです。

宿泊客が入れ替わりで常時自分を含めて三人ほどだったので、風呂トイレは気兼ねなく
使えました。さて、ここまで書いて全然話が進まないことに焦りを感じていますが、
一日目はまだ終わりません。ここから晩飯タイムに入ります。

その前にゲストハウスで良い情報をゲットしました。
台北市内の「龍山寺駅」を降りると何やら外で囲碁を打っている人たちがいるとか。
こういう情報は現地でしか手に入らない貴重な情報です、取材場所が増えてテンションが
一気に上がりました。貴重な情報をゲットした後、晩飯を求めて忠孝復興の街へ。
ここで自分の見識のなさというか、台湾に対するイメージが完全に変わりました。

何となく中国の田舎のイメージで、日本より20年くらい遅れているような光景を
想像をしていたのですが、まったくの的外れでした。

「東京都内かここは」

まあ、やたらでかいデパートやビルがそびえ立っている様は山手線内の都心と
変わりありません。新宿>忠孝復興≧高田馬場くらいの街並みです。
こんなでかい街に迷子機能フル装備で歩き回るなんて過去の体験からすると
無謀の極みなわけですが、台北市内の道はびっくりするほど縦と横しかありません。
Googleマップで確認はしていましたが、よもやここまで綺麗に道が
整備されているとは。

日本の場合は町が街に発展し行ったような造りですが、道路を見る限り、
始めから街を作ったのかと思うような造りでした。世界地図で国境を見るときの
違和感と同じです、街に線を引きましたという感じです。
ご飯を食べる前に現地のコンビニに入りました。

コンビニといってもファミリーマートとセブンイレブンしかありません。
台北市内を旅行中ずっと歩き回りましたが、ほとんどこの二つしか見かけませんでした。
セブンイレブンに入ってまず驚いたことはイートインスペースです。日本ではミニストップ
以外ではあまり見かけませんが、台北市内のセブンとファミマにはほぼすべて
イートインスペースがありました。

忠孝復興のセブンのイートインは最悪な位置取りで、店内のど真ん中に高々と設置して
あって、三つしかない場所を若者が占拠していました。あそこでくつろげる度胸は
さすがにないですね、他の店舗は場所によってはカフェ並みのスペースを確保している
ところもありました。

ここで店内を見ている長谷イン(ジャパニーズ有段者)に衝撃が走ります。

アイスの棚を見ると、ガリガリ君が29元。
アイスの棚を見ると、ガリガリ君が29元。
って、約120円だと・・・。

あのリッチ何とかのガリガリ君ではなく、税込63円のガリガリ君が
116円もするとは・・・。

ちょっと隣を見るとそこには爽の衝撃のお値段が。
ちょっと隣を見るとそこには爽の衝撃のお値段が。
爽バニラ 59元(236円)
(※ちなみに旅行中は一元4円で計算しています。)

いやいやいやいや。
いくら台湾が暑くて、かつ日本から輸入していて、さらに円安といっても
お値段二倍弱もしますかね。
こういうところで超庶民派の長谷イン(タイペイ初心者)は敏感に反応してしまいます。
後でファミマでも確認したところ、当然同じ価格でスーパーカップのバニラが50元
(200円)でした。

お酒を見ても日本製の第三のビール(約200円)が300円くらいしたり、
日本製は何かと高い印象を受けました。台湾は物価が安いとか何とか(ネット情報)
聞いた気がしましたが、コンビニの商品を見るとほぼ日本と同価格です。
ここでちょっと購買意欲が削がれてしまいました。

この後お店を探すときも値段を丹念に見ながら歩き回りました。
台湾に着いたばかりで見た目に惑わされそうになりますが、掛ける4で計算していくと
やっぱり高い、高い。もちろんこれは超庶民派の長谷インの話で、皆さんの海外旅行とは
一線を画します。後述しますが、皆さんの感覚と自分の感覚のズレはかなりのもので、
帰ってきてから話を聞くといろいろずっこけました。

晩飯を食べるお店を探すことおよそ一時間。
途中から大切なことに気づいてしまいました。

初めこそ値段が高いで敬遠していたわけですが、手ごろな店でも入る勇気が出てきません。
日本でも慣れた場所じゃないと気が差さすのに、言葉が通じない状況でどうやって
お店に入るというのでしょう。それこそ店内に入ったら席に案内されて、適当に注文して、
食べて、お会計して出る、くらいになりそうなのは分かっていましたが、
どうしても入る勇気が出ません。

これは初心者の悪い癖で、失敗を恐れているんですね。

飲食店に入って何をどう失敗できるのかって話ですが、囲碁コミュニケーション以外
まったくコミュ力がない(人見知りな)のは前述の通りです。

何だか歩きながら情けない気持ちになっていきました。この日はもう夜で気温も
さほどではないので、判断力がまだ正常に機能して簡単な道を迷子にならず
グルグル歩いていました。

店頭で売っている惣菜っぽい饅頭屋(?)みたいなところで簡単に済まそうかと
思いましたが、それすらできません。コミュ力不足に加えて、言葉を奪われているわけです。
言語は人類進化の源でDNA、視覚以外で具体的に情報を伝達する人類固有の英知です。
それを奪われた以上、コミュニケーションをまともに取ることができません。

幼稚園生、いやチンパンジーや猿レベルでしょうか。
ましてや幼稚園生や猿でも意思表示できるわけですから、まさに人にあらざる者です。

しかしかといってコンビニで弁当を買って済ますわけにもいきません。
今回は台湾武者修行という名目の「人材育成」の側面があるのと、帰国後に旅行記を
書くことになっているからです。つまり何もしないで帰ってきましたでは、
石音(囲碁界)から追放処分になりかねないわけです。

ちなみにこの旅行中はコンビニに死ぬほど立ち寄りました。
暑くて飲み物が必須なのと、イートインがどこでもあって結構便利で、
しかもコミュニケーションの必要もありません。宿泊先近くの夜のファミマの店員は
それはもう態度が悪かったですが、逆に安心して買い物できました。

そうこうしているうちに時間は夜の22時〜23時になり、どんどん閉店するお店が
出てきます。時差はマイナス一時間なので、現地時間で21時〜22時ですね、
入ろうかと思っていたお店も閉店時間になっていよいよ追い詰められてきました。
だいたい今日はこのあと寝るにしても、明日から囲碁取材で動き回らなくてはいけません。
飲食店に怖くて入れません、なんてゆとり世代の第一人者のようなことを言っている
場合ではないのです。
(※同世代の方々にお詫び申し上げます、なかなかこんなポンコツはいないと思います。)

まあ入り慣れていないとマック(日本)でも緊張してしまいますからね、最初の第一歩が
重要なわけです。そろそろ本気でお腹も空いてきたので、裏通りの食堂みたいなところに
入りました。入った瞬間、隅に置いてあるカードに注文の印を付けて渡すシステム
だったようですが、指さされても良く分からなかったのでたじろいでしまいました。

どうしようかと思って一旦店を出かけましたが、「日本人?」と片言の日本語で
話しかけられたので何とか思いとどまり席に移動しました。持ってきてくれた注文票を
見ると
「おお、何か読める読める。」
と思ったらそれは日本客用で、店員のおばちゃんが向こうの注文票と照らし合わせて
やっと注文が取れました。ワンタンの水餃子っぽい麺のやつと水餃子二種類4個ずつです。

自分が台湾に行くと聞いて皆さんこぞって「台湾はご飯がおいしい」と言っていましたが、
果たしてその味は・・・!?

「・・・・・・。」
「・・・・・・。」

お世辞にもおいしいとは言えませんでしたね。

はっきり言って人生で食べた中でもワーストのほうに入るかな、と思ったり。
これは教室の皆さんと自分の認識がはるかにズレていたために生じたことでした。

よくよく聞いてみたら「おいしいお店を事前に調べて行く」とか「一流の〜」とか
「最高級の〜」とかそんな感じでした。でしょうね、やっぱり。
何でこのお店入ったかって、値段がやたら安かったですから。
腹いっぱい食べて640円くらいだったかな。日本の某フランチャイズの中華店でも
こんなに安くはないはず、ということでお値段相応の味でした。
やっとの思いで腹ごしらえが済んだ頃には手元の時刻は0時近くになっていました。
宿に戻ってウナギの寝床のようなところで就寝、暑かったものの疲れてたおかげで
よく眠れました。

まったく先が思いやられる展開になってしまいましたが、2〜5日目を考えると
一番楽な一日だったことは間違いありません。

今回は二日目まで書き上げるつもりでしたが、余計な尺を使いまくってしまったので
二日目以降はまた次回にしたいと思います。

〜台湾編その3〜「二日目前半戦、ビーフorチキンor・・・?」に続きます。
乞うご期待ください。

※この調子で行くと計10回の長期連載になってしまいますが、どうぞ気長にご覧ください。

2015/07/20

囲碁, 長谷俊インストラクター

長谷インのグローバル囲碁旅行記 台湾編その1

皆さんこんにちは。

囲碁高段者、その他級位者の長谷インです。
今回は台湾武者修行(半強制イベント)に行って参りました。
初めての海外旅行を何の準備もなしに完全個人旅行で行ってしまうのは果たして勇敢なのか、
はたまた無謀なのか。短編5回に分けて皆さんにお届けしたいと思います。

「初日、機内食は未来への暗示」

そもそもなぜ今回台湾へ旅立つことになったのか、その経緯を軽く説明しておきましょう。
基本的に人見知りで方向音痴なので、好んで旅行に行くことはありません。
これまでも友達と何度か囲碁旅行に行ったくらいで、一人でどこかへ行こうというのは
あまり気が進みません。

事の発端は石音の打ち合わせのときでした。

ベトナム帰りの根本さん(席亭)「そういえば長谷君は海外旅行は行ったことある?」
長谷イン「(興味)ありません。」
根本さん「どこか行こうと思わないの?」
長谷イン「グーグルアースで十分なので。」

まあ、この後の展開は語るに及ばずで、だいたい若輩者がこういう発言をすると決まって
火に油を注ぐことになるんですね。

(30分後)
根本さん「じゃあ石音で旅行費を毎月天引きして積み立てるから半年~一年以内に
行ってくるように。」
根本さん「行かなくても良いけど、その場合は積立金を石音で有効に使わせてもらうから。」

まあ、おおよそこんな感じでした。
その場の雰囲気とかいろいろ割愛していますが、とにかく半強制イベントで海外旅行が
決まってしまったんですね。

そもそも一人で海外に行ってテロとか拉致に巻き込まれたらどうするんだと言うと、
だったら一番行きやすい台湾にしたら、とのことで台湾行きが成り行き決定した次第です。

自分にとっては旅行自体あまり興味がないので、準備はぐだぐだでした。
打ち合わせのたびに準備できてるか聞かれるので、仕方なくパスポートを取り、
さらにチケットを予約するころにはきっかけから半年以上過ぎていました。

旅行は行く前にウキウキしているのが一番楽しいと言いますが、全然乗り気がしないので
「囲碁取材」という名目を自分に課してやっと重い腰を上げることになりました。

さて、当日までの準備ですが、チケットは一か月前に予約してLCCで往復2万7千円、
宿も一週間前に予約して一泊1200円の4泊5日です。このときのモチベーションは
とにかく安く済ませて、囲碁取材だけして来ようという気持ちです。

一応ネットの事前調査は軽くしましたが、「Taipei Free」という無料の公衆Wifiの
事前登録だけであとは取材先の住所をグーグルマップで確認したくらいです。

最初こそ海外は危険だと思っていましたが、調べるうちに台湾くらい楽勝で行ける、
むしろ全然修行イベントにならないじゃないか、と考えるようになっていました。

まあそもそもが無知なわけで、動画で台湾に日本のフランチャイズ店があることに
まず驚いて、もう少し田舎のようなイメージをしていたのですが、
そんなこともない様子でした。

出発前日にはもう行った気になっていましたね。

まさか極限まで追い詰められることになるとは、この時点では想像もしていませんでした。

前日は段級位認定大会だったので、皆さんにはお酒の席で散々嘯いていましたね。
何も事件が起こらなかったら話のタネに女の子に声をかけてくる、とか言うくらいの
余裕っぷりでした。

当日は飛行機に乗り遅れて寅さんになるのだけは避けようと、14時半の出発予定なのに
あまり寝れませんでした。とにかく怖かったのは出入国で、向こうに行けばどうとでも
なると考えていました。

朝になってやっと荷物をまとめましたが、着替えとタオルとノートPCくらいで
田舎(鹿児島)に帰るのと同程度の装備です。ノートPCに関しては向こうで使えたら何かと
便利と思って持って行きましたが、なかったらかなり危なかったです。そもそも一番準備
せずに後悔したことはポケットWi-Fiを契約して持っていかなかったことです。
着替えとタオルとPCくらいしか準備していないつもりでしたが、自分には「迷子機能」が
標準装備されていることをすっかり軽視していました。

この呪いのような迷子機能のおかげで散々な思いをすることになります。
今となっては事前の調査と準備をしっかりやって、その上で常にネットと繋がれる環境を
用意しておくんだったと反省しています。

しかし、今回は長谷インの修行イベントというコンセプトなので、「ほぼ無計画で行く」
という計画を立てていたんです。
宿も決めずに何も調べずに行こうかと本気で思っていましたが、さすがに現地でうろうろ
歩いて迷子になったら時間が勿体ないかなと考えて最低限の準備はしました。
今思えば、それすらやってなかったら普通に野垂れ死んでいましたね。

無計画を計画する、というただの無謀な挑戦をしていることに全然気づかなかったわけです。
基本的に何とかなるさの楽観主義者ですが、それは日本だから通用する話で言葉の通じない
海外ではどんな目に合うかという話です。

初日は昼に出発だったので、向こうに着くのは夜頃になりました。
出入国に関しては特に問題はありませんでした。
関税のところはどうするんだろうと思いましたが、関係ないのでそのまま抜けました。
eチケットだとかパスポートだとか初めてのことで不安でしたが、ここら辺はまあ
何とかなりますね。

成田空港まで二時間、二時間前に到着してフライトは三時間予定ととにかく時間か
かるなぁと思いながら無事にチャイナエアラインの機内に入りました。ラッキーなことに
ほかのお客さんと隣り合わせにならなかったので、割と快適でした。

(途中で席を移動してきた家族連れの台湾人っぽいおじさんが鬱陶しいと思いましたが、
降りる頃にはただの親切なおじさんだったので良かったです。)

機内では暇すぎてモニターのゲームやったり、映画見たりしましたが、英語とか中国語
ばかりでまともに日本語で面白そうなものは見つかりませんでした。しょうがないので
英語版(中国語字幕)のアナと雪の女王を観ましたが、あれは普通に面白かったです。

一時期テレビで耳にタコができるほど主題歌が流れていて敬遠していましたが、
ミュージカル調で展開していくシーンには心踊らされました。中国語はもちろん英語も
ほとんど分かりませんが、アニメーションはキャラクターの動きで意図することが
雄弁に伝わりますね。

そうこうしているうちに機内食が運ばれてきました。機内食には結構憧れていて、
鹿児島に帰省するときなんかアップルかオレンジジュースの選択肢しかありません。
一番驚いたのは飲み物にお酒もあるということです。当然「アップルorオレンジ?」
とか思っていたらワインやビールの選択肢もあるんですね。
台湾製のビールにしましたが、ビールは日本のほうがおいしいです。
それ以前に乗り物酔いしやすいので、ビール飲んだら少し気分が悪くなりました。

よく聞く「ビーフorチキン?」が来るかと思って待ち構えていたら「チキンorブタ?」
と聞かれてちょっとびっくり。
そこはポークじゃないんだ、と心の中でツッコミ入れながら、「え~と、ブタで」と
こちらを選択しました。

まさかこの「選択肢」がこの先の未来を暗示しているとは、このときは夢にも
思いませんでした。

そしてブタを選択したのも定められた運命だったのかもしれません、あるいは潜在意識が
選んでしまったのか。
いずれにしてもパクパクのんきに食べている場合ではなかったでしょう。

ちなみにこの機内食は旅行中に食べた中でベスト3に入る味だったことは、
もちろんこの時点では知る由もありません。

と、まあ何だかんだで台湾に無事到着しました。

入国カードを一人だけ書いていなかったようで、「ナンバー、ナンバー!?」と
捲し立てられてちょっと困りましたが、ここも難なく切り抜けました。

もうこの着いた直後は「あっけなかったな、あとは適当に取材して終わりだな」
くらいの余裕の気持ちでしたね。

そう思った矢先、10分後には現実を思い知ることになりますが、
それはまた次回にしましょう。

~台湾編その2~「到着後~二日目、ひとならざる者」に続きます。
乞うご期待ください。

2015/06/20

その他, 長谷俊インストラクター

角・桂・銀


皆様こんにちは。

最近将棋をコツコツ指している石音の棒銀インストラクターこと長谷です。

将棋もレッスンも一直線に突き進んであとは出たとこ勝負がモットーです。



さて、最近自分が遭遇している事件の舞台は「将棋盤」です。

将棋も人生と同じく一局の中にあらゆる事件が潜んでいます。

もちろん紆余曲折を経て一局指し終えれば、それらは経験として次局の糧となります。



最近ハマっているのは将棋ウォーズの一手10秒の早指しです。

まともに指すと自分ばかりボロが出てすぐに崩れてしまうので、相手にも失敗

してもらい泥仕合の混戦に持ちこむことが狙いです。


これまでにすでに「将棋フラッシュ」で何十局も対戦しているので、近頃は単純な

ミスもだいぶ減ってきました。


それでも未だに手こずるのが「角、桂、銀」の斜めの動きへの対処法です。



角を自在に使われた「見合い」の形はどうしても見落としがちになります。

まだ銀を使って「両アタリ」のような形なら、打たれてから「はっ」と気が付く

ことができます。
しかしずっと斜めに利いている角の動きは駒の中でも一際厄介です。

囲碁で同じような動きと言えばシチョウでしょうか。

囲碁ではシチョウを逃げ出してもやがて「あっ」と気づきますが、

ネット将棋だとパッと駒が消えて一瞬「?」となってしまいます。




自分の大切な駒がこつ然と姿を消してしまっては、これはもう一大事でしょう。

飛車(竜)のアタリに気づかずにみすみす取られてしまうことがありますが、

心境としては大切な人がいきなり目の前から去ってしまったかのようです。




矢倉囲い+棒銀戦法を覚えてからというもの相手の桂馬、角の攻めに

悩まされっぱなしです。
こちらが銀と飛車でタテに攻め行っている隙に、相手は

桂と角で自在に矢倉を崩してきます。




相手の桂馬や歩の突き出しに対応している間に、幾たび王が直接仕留められて

しまったことでしょうか。
普通は「詰み」で終局となりますが、角道を空けて王を

ダイレクトに取られる見損じを繰り返す始末です。
王を取られる、それすなわち

人生(一局)の終焉です。
もがいて、もがいて詰まされるならまだしも、

交通事故にでもあったかのように一瞬のうちに王が打ち取られてしまうのは

何ともやるせない気分になります。




「角、桂、銀」のような斜めの動きには足元を掬われっぱなしです。

これにはただの事故ではない、巧妙に仕組まれた事件性さえ感じます。

タテ、ヨコは割りと把握しやすいのですが、斜めというのは人間の最大の盲点

ではないでしょうか。




囲碁でもハネ、切りのような斜めの動きにはなかなか目が追いついて行きません。

後ろや真横のように人間の視野で捉えられないところからの攻撃は喰らっても

仕方がないと思えます。
しかし視野に捉えているのに大して意識せず、反応が

遅れてしまう斜めからの攻撃というのは非常に厄介なものです。


(つまり斜めのハネ、切りが見えているのに意識していない、視野に入りつつも

見逃しているということです。)




自分の将棋の戦法は「原始棒銀」に「矢倉囲い」です。

囲いはまだまだ使いこなすのに時間が掛かりますが、攻めは一直線に一点突破を

目指しています。




今後、長谷インは斜めからやってくる攻撃(事件)を掻い潜り、勝利を収め

上達することができるのか、乞うご期待ください。


2015/02/14

その他, 長谷俊インストラクター

好敵手

皆様こんにちは。

水曜日のQ位者の集い、土日の13路盤指導碁を担当している長谷です。

自由に打とう!をモットーに、基本的な理論と合わせて皆様にお伝えしていければと思います。


さて、最近の自分のお気に入りの場所は「将棋盤」です。

ちょっとした暇潰しに始めたのがきっかけで、今は時間さえあればCPUと指しています。


囲碁と違って将棋は「ド」が付くほどの素人ですから、もちろん下手の横好きです。

まだまだ人と指すレベルではないので、初心者向けのCPUを相手に対戦しています。

すでにハム将棋はクリアしたので、目下最大のライバルは「将棋Flasyu」です。


レベル3~9まで段階が分かれていて、勝てば一つ上がり負ければ一つ下がるといった具合です。

特徴としては、形勢に応じて(外国人顔の)コンピューターの表情が変わります。

こちらが良い手を指すと「あっ!」的なリアクションをしたり、渋い顔で指したりします。

逆にこちらの形勢が悪いときはすまし顔をして、負けたときには「にやり」としたり顔をするという何とも憎いライバルです。


どうにか相手(CPU)の顔を歪ませようと頑張っているのですが、なかなか最後のレベル9には勝てません。

24時間ぶっ続けで指したこともありますが、そのときはレベル8に一勝もできませんでした。

今ではレベル9相手に10回に一つは勝てるかなという実力です。

負けが込んで勝つイメージが持てなくなると、今度は囲碁を打ってイメージを取り戻してから再度挑戦しています。


これだけハマって(嵌って?)いるのに、真面目に勉強はしていません。

囲碁上達と同じで実戦をひたすら積むのが大事かなと思いつつ、毎回詰んでいます。

※詰将棋はコツコツやっています。

果たして長谷インは将棋では何級になれるのか、乞うご期待ください。
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