根本席亭ブログ 500人の笑顔を支える、ネット碁席亭日記 囲碁の上達方法やイベント情報など、日々の出来事を発信していきます。


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世界最高のラジウム線出量を誇る山梨の増冨温泉「不老閣」。

両親を連れていった1ヵ月後、今度はつれと再訪した。

坐骨神経痛に悩んでいたので少しでも、ということだ。



例の20℃の岩風呂を経験したつれは、予想通り驚いていた。

―これは修行ね。もしくは罰ゲーム。はいるのに覚悟がいる。

   こんな温泉ほかにない。だけどはいっているとだんだん

   体が温まってくるから不思議よ。



その通りだ。この小さな岩風呂はある意味日本で3本の指に

はいる名湯だ。~いい湯だな♪~という意味ではない。

決してホッコリはしない。

だがここを目指して全国から何十年と通い続ける人がいる。



ここ「不老閣」の食事は、泊まる人たちの健康を考えてか

揚げ物や豪華なものはなく、身体に優しい野菜中心、

味付け薄目のものが並ぶ。火がついた鍋のふたをとると、

野菜とキノコともずく以外、肉はなかった。

この「もずく鍋」、はじめて食べたが絶品で癖になりそうだ。



2度目の今回は、あるものを別注で頼んでいた。



普段は忘れているが、たまに出会うとテンションあがる。

ショウガやニンニク醤油とあって元気が出そうだ。

馬刺しである。1人前1500円、見事な1皿だ。



―待てよ。こんなのを食べては、元気になっても

   温泉の効果かどうかわからないじゃないか。



一瞬頭をよぎったが、ビールをごくりとやったらかき消えた。



*山梨増冨温泉「不老閣」の食事

https://www.furoukaku.jp/oryori.php




 



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―あら、浩宮様じゃない。



お袋の声で壁に貼られた何枚かの写真に目をやると

たしかに若かりし浩宮様、いまの天皇陛下が写っていた。



昭和49年と50年、まだ中学生の浩宮様は、2年続けて

この宿、増冨温泉「不老閣」の裏手にある2つの100名山、

瑞牆山と金峰山に登る前に1人で泊まったそうだ。



よくある皇室御用達の豪華な宿ではない。

23部屋のうち部屋にトイレがついているのは数部屋のみ。

あとは合宿所のように、トイレも歯磨きも共同だ。



宿の人に聞いて驚いた。当時泊まった部屋は207号室。

お袋と親父と妹の泊まる部屋だった。弱視の親父のために

トイレ付の部屋を押さえたのが奏功した。



―ここがそうなの。へぇ浩宮様がねぇ。



簡素な部屋の中でお袋がつぶやいた。

こういう偶然は帰宅後のいい土産話になるだろう。

小さい部屋からあぶれた僕は隣の206号室に1人。



ーそうか、ここはSPが泊まったのか。

これはそれほど土産話にはならないだろう。



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放射線ホルミシス。

聞いたことあるだろうか。



ふとしたきっかけで、昨夏からマイブームとなり

そのあと鳥取の三朝、山梨の増冨、と著名なラジウム泉に

ふれることにもなり、そのブームはいまだ燃え盛っている。



ホルミシスとは、たくさん摂ると身体に毒なものは、

ごく少量だと身体にいい、ということ。

低線量の放射線を浴びると、万病のもととされる活性酸素

をやっつける抗酸化作用が活発になるそうだ。



先日泊まった山梨の増冨温泉「不老閣」の女将は、

温泉のはいり方や健康法など、来客の人の質問に丁寧に答えていた。

本気で宿泊の縁があった方の健康を願っている。

この宿が脅威のリピート率(宿泊者の多くがチェックアウトの時に

次の予約をする)を誇るのもうなずける。



子供のアトピーにも効きますか?と問い合わせの電話には、

では温泉送りますのでまず試してみて、とポリタンクを送ったという。

まだお客さんになっていないお母さん、感激しただろう。



大量だと毒だが、少量だと身体にいい。

そうか…。



何とか笑わせようとくだらないギャグを連発しても

嫌がられるだけだが、力の抜けたちょっとしたことが

思わぬ笑顔を生む。



放射線を見習って、笑いのホルミシス効果をいま、

ひそかに、ねらっている。



山梨増冨温泉「不老閣」女将おすすめ本

https://www.furoukaku.jp/favorite_book.php




 



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3月に続き6月も、再度一時帰国した妹と両親、4人で

山梨の増冨温泉に向かった。



前回の山陰旅行では鳥取県の三朝温泉に泊まったが、お袋はここで

「ラジウム温泉」に興味をもち、同じく日本三大ラジウムの

(もう1つは秋田の玉川温泉)増冨に行くことになった。



インパクトは最強だった。宿「不老閣」名物の岩風呂は、宿から

5分ほど山道をあがった先にあった。よくある旅館の岩風呂、

人工的に岩を配置して雰囲気を出すものとは全くちがう。

たまたま岩のくぼみに湧き出して貯まったところに、「あとから」

小屋をたてたものだ。



この岩風呂は朝7時から夕方17時まで。

温泉宿で一番の名物のお風呂が夕方に終了するところを

ほかに知らない。その理由を宿の人に聞いた。



天然岩風呂なので「栓」はなく、毎日夕方にポンプで吸い出して

洗っているのだという。湯量が少ないため、貯まるまでに12時間。

だから夕方で終了なのだ。



大人4人が浸かれるかどうか、という大きさだ。

お風呂の温度は何と20℃。完全な水風呂だ。そばにある41℃の

上がり湯で5分身体をあたためてからでないと厳しい。



あとで宿の人に聞いたら、真冬、マイナス10℃のなか、山を

のぼって元気にこの冷泉にはいる90代の方もいたという。

それも上がり湯がまだなかった頃の話だ。信じられない。



僕のような初心者は、長湯(湯ではないが)厳禁、3分はいって

また身体を暖める、を2,3回程度にしたほうがいいらしい。

事実、僕も宿にもどったあとしばらくは「ぼおっと」した。

ラドンの肯定反応で体がだるくなった。2時間休むとまた

元気になって夕食をおいしく食べたが、すごいパワーだ。



足元から小さな泡がぷくぷくと。意を決して浸かったときは、

冷たくていったいこれは何の罰ゲームだ、という思いだったが、

少したつと不思議と身体が温かくなった。

気泡が身体につくからだろうか。



この温泉のパワーは、西洋医学で完治が難しいとされた多くの人、

多くの症状に対して、奇跡の復活を助けてきた。



全国8千あるという温泉の中で、足元から直接湧き出る

本物の温泉は50か所程度だという。



偶然に感謝である。



増冨温泉「不老閣」

https://www.furoukaku.jp/



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今までで一番おいしい〇〇に出会う。



最近何かあっただろうか。

50歳をすぎるとさすがに少なくなってきた。

週に何度も食べる食品であれば、さらに難易度はあがる。



昨年秋にオープンした東京は八王子市にある

TOKYO FARM VILLAGE。



実家の徒歩圏ということもあり、何度か既に訪れたが、

ここのヨーグルトが、人生でNO.1となった。



ふたには牛の名前が書いてある。つまり同じ牛からしか

そのヨーグルトは出来ていない。

同じパッケージでも、そして同じ牛でも、季節によって

味が違うヨーグルト、というわけだ。



京王線の山田駅から徒歩数分。新宿から1時間かからない。

目の前でモグモグするジャージー牛にも会える。



ぜひ一度訪れてみてほしい。



TOKYO FARM VILLAGE

https://www.tokyofarmvillage.me/farm



母さん牛の名前いりプレミアムヨーグルト

https://www.isonuma-milk.com/blank-7




 



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―あれ、これ、何でだろう。



通り過ぎる寸前、お店の前の看板が目に入って足をとめた。



NEW OPEN  12:34~18:00



吉祥寺で散歩の途中だった。いつも休日の散歩は高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、

西荻窪のどこかの駅周辺で、吉祥寺まで足を延ばしたのは2度目。

この通りは初だった。



開店時間が12:00でも12:30でもなく12:34にしているのは、

数字の並びで店主の洒落だろう、とすぐ気がついたが、

時計を見ると12:28でまだ開店前で透明の扉はしまっていた。



面白いね、と立ち去ろうとすると、店主が中から笑顔で扉を開けどうぞと。



―この時間はわざとですか?

―そうです、はい。3週間前にオープンしたばかりなんです。



「旅する本屋 街々書林」とある。

旅に関する本だけを集めた専門店だ。



店名もコンセプトも開店時間もこだわっているだけあって、

僕らはあっという間に店内に魅了された。



一冊ずつ丁寧に選ばれた本ばかりでなく、珍しい水彩毛筆や

「書くを愉しむ」という名前のノートなど、遊び心満載だ。



つれにもド真ん中だったようで、さっそく「参道めし」という本を

手に取り、もう買う気だ。



「旅のことばを読む」小柳 淳



帯にはこうあった。



ことばに出会ったとき、旅はもう始まっている。

カレル・チャペックからフーテンの寅さんまで



寅さんとあれば、手にとらないわけにはいかない。

手触り、色、装丁がとてもいい。

レジにもっていくと店主がにっこり。



―それ、私が書いたんです。



なに!ここは作家さん自らの手作り本屋さんなのか…。



すぐに話好きの店主と、まぁまぁ話好きの僕の高速かけあいが

始まった。店内はまだ誰もいなかった。



結局「旅の断片」「街と山のあいだ」若葉晃子の2冊も加え、

さらに先ほどのノートも。

つれは絵を描くのが趣味の義母に色鉛筆がわりにあげよう、

ということで先ほどの毛筆セットと本を。



会計はつれが5千円、僕が7千円也。

大人買い、というやつだ。



新刊書店に行く機会がめっきり減った昨今、

本が3冊で5千円を超えたのは久しぶりだ。



まだ読み始めてはいないが、いつも以上の偶然の出会いに、

この本には何か大きなものが隠れている、そんな気がする。



吉祥寺 街々書林

https://machi2.hp.peraichi.com/tabi/



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今回の旅では、「最高の親孝行」のカタチがひとつ見えたことが収穫だった。



物をプレゼントするよりも近年はなるべく一緒の時間を過ごすようにしている。

今回のツアーを選んだのは、お袋が足立美術館に行ってみたい、と長年言っていた

からだったが、何より3日間、ともにかけがえのない時間が過ごせたのはよかった。



思いのほか喜んでもらえたのは、

「昔話を訊く」



これが親孝行になるとは意外だった。



聞くではなく聴くでもなく訊く。

こちらから質問する、だ。



例えば自分が子供の頃の話。

親父の仕事の話。お袋が親父と結婚する前の話。



記憶とは面白いもので、ひとつきっかけがあると、次々に思いだす。

まるで大事にしまっておいた箱から宝物を取り出すように。



そのきっかけが「昔話を訊く」なのだ。

今まで一緒にいった旅行はツアーではなく僕が運転する車だった。

車の中での会話は1対1ではないからか、深い話になりにくい。

しかしツアーでは往復の新幹線など、隣同士の時間がたっぷりあった。



シニアは自慢話にならないよう気をつける癖がついている人も多いが、

こちらが聞いた質問に答える分には自慢にはならない。

親父に仕事の話をどんどん訊いていくと、時に嬉しそうな顔になった。



たくさん訊いて、その答えを聴く。

しっかり耳を傾ける。



これからも続けていこう。





動画「幸せの貯金箱」でこの内容を短くまとめています。

よかったら一度ご覧ください。



『最高の親孝行』

https://www.youtube.com/watch?v=ONOHT7m6Dvs




 



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ここは寅さんが座って待っているような駅だな。



そうだね。



寅さんファンの親父がつぶやいたので、すぐ相槌をうった。

全50作。何度も見ているとわかる。確かにそんな雰囲気だ。



3日間の山陰ツアー最終日。スタートはお花見列車、ということで

若桜鉄道の終着駅にいた。桜前線が10日も早くきたのが幸いで

3月末というのに満開だ。しかも混雑していない。桜ではなく

妹の帰国にあわせてツアーを予約したのがよかった。



若桜鉄道。ご存じの方もいるだろう。旧国鉄から鳥取県が引き継いだ

第三セクター方式の鉄道だ。若狭駅は90年前の木造の駅舎が残り

待合室もお洒落だった。国の登録有形文化財だという。



親父のつぶやきでなんとなく調べて驚いた。この鉄道の無人駅のひとつ、

安部駅で寅さんが電話をかけていた。



男はつらいよ第44作「寅次郎の告白」(平成3年)

https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/location/346/



こんな偶然が、旅を強く、濃く、彩るんだよな。



今度は僕が心の中でつぶやいた。



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―もうここでいい。



親父に言われてびっくりした。

リフトを降りてすぐのところに小さなベンチがあった。

そこに座って妹と僕が観光してくるのを待つというのだ。



―どうせ牛のいない牧場みたいなもんだろ。



先日実家(東京八王子市)のそばにある牧場(磯沼ファーム)に

連れていったのが記憶に新しい。が、それはいくらなんでも山陰を

代表する名所、鳥取砂丘に失礼というものだ。



弱視で障害者2級の親父にしてみれば、雄大な砂丘がしっかりは

見えないかもしれない。だが、このベンチからでは、近所の公園の

砂場とちがわない。



―3分、100mだけ歩こう。ちょっとだから、ね、いっしょに。



妹とともに何とか両親を説得してベンチから立ち上がらせて

砂丘の入り口、高さ10mほどの小さな砂の山を登る。

白杖代わりのステッキが砂に埋もれてちょっと歩きづらそうだ。

ゆっくり一歩。また一歩。



―おおっ!



なんとか登りきると一気に視界が開けて思わず声が出た。

東西どこまでも砂丘がつらなり、向こうには日本海が輝いている。

家族4人、ここにきたのは皆はじめてだった。



記念に僕は思いっきり手を伸ばして4人の自撮りに挑戦した。

腕をプルプルさせながら撮ろうとすると、意味なくお袋が

僕のスマホにむけて手を振る。笑わせないでほしい。



目の前には大砂丘、「馬の背」がそびえる。

高さ47m、斜度32度、15階のビルぐらいある砂の山だ。

せっかくなので妹と一緒に走って登ることにした。



2歳年上のハンデからか、こちらが先に息をきらし途中で

止まった。妹が頂上からこちらにスマホをむける。

ちょっと大げさに「達成感」を表してみた。よく考えると

まだ達成はしていない。



―あの子はむかしっからなんでも大げさなのよ。



ベンチで待つお袋の声が聞こえた気がした。



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偶然の産物、というと、普通いい意味でつかわれるが、

この場合はどうだろうか。



50歳をすぎてもなお、あらゆる場面で抑制できず

つい自分を押し出してしまうのは、子供の頃から変わらない。

だがこれはすこしやりすぎたかもしれない。



20年連続日本一に輝く足立美術館の庭より

自分にピントをあわせてしまった。



今回、山陰に来たのは、長年おふくろが一度この庭を見たいと

言っていたからだ。庭を背景にしたおふくろ1人の写真や

妹や親父との3ショットなども撮ったが、それらは綺麗にバックも

被写体も写っていた。



4人そろって誰かに撮ってもらうチャンスを逸し、

帰り際に慌てて自撮りしたところ、この1枚となった。



スマホも撮った人も背景も同じ。

違うのは被写体だけ。

たしかに偶然の産物だ。



こうしてネタとして発信できるのだから。


 

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