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根本席亭ブログ 500人の笑顔を支える、ネット碁席亭日記 囲碁の上達方法やイベント情報など、日々の出来事を発信していきます。


一昨日は近所に住む88歳の全碁協理事長に誘われて近所で一杯。

今日は87歳の方の
ご自宅で囲碁とパソコン指導。



そんな毎日の僕でも、時には同世代の仲間とわいわいやることもある。

昨日はそんな日だった。



12年前に立ち上がった20代30代への囲碁普及団体IGOAMIGO

その当時の
幹事メンバーが一同に会した。メンバーもそれぞれ歳を重ねて

30代半ばから40代後半になっている。



いつもは最年少の僕がこの写真では最年長。

明日はまた70代、35名が集まる会社OB碁会が朝からで僕が最年少。



年齢差60歳ぐらいの仲間と楽しめる日々。

これは相当な幸せだと思う。




 




amigo



僕には今、友人とよべるシニアが10数人いる。

20歳、30歳、40歳違う方々に一つ共通点が

あることに最近気づいた。



それは僕とその人の関係が「単線」ではなく「複線」だということ。



例えば自分の先生が、別の分野ではその人が生徒で自分が先生。

これで「複線」。




さらに同じ目的を目指す同志や、趣味の仲間であれば「複々線」になる。



シニアの叡智を世代を超えて受け取るには、先輩と後輩、先生と生徒

といった一本の線が太く
なっていく関係では限界がある。



線を太く、より、線を多く、を意識して様々な人とつながっていきたいと思う。


2017/09/08

名脇役


人材紹介会社はコンビニよりも数が多いというが、

そのなかでも数少ない「シニア専門」の人材紹介会社を

6年前にたちあげ奮闘している方がいる。




かい援隊の新川さんだ。

http://www.kaientai-h.co.jp/about/message.html




私より20歳年上ながら、エネルギッシュに語る

その言葉にはいつも力がある。




シニアは社会の名脇役。



この考え方に強く賛同する。

名脇役になりうる多くのシニアが、心のどこかで



「出番です!お力貸してください」



と頼まれるのを待っている。

彼らを発掘して、その経験が活きる企業とマッチングする。



単なるマッチングでは中々うまくいかないだろう。

そもそもどうやって発掘するのだろう。



こんな取り組みを事業にできないだろうかと考えているとき、

ワクワクする自分がいる。



囲碁を通して人一倍、素敵なシニアと交流してきた自分が

「やらねばならぬ」事業だから。



ここ数年、聞こえてくる鐘の音がどんどん大きくなっている。



暴走老人・下流老人など新しい言葉を冠した著作が売れた。

著者は何とかもっといい社会をという熱い想いで警鐘を鳴らしているのはわかる。

しかしシニアを、高齢化社会をポジティブに捉える論調が不足しているように思う。



警鐘という鐘は耳目を集める効果が高い。テレビや週刊誌などは、その成り立ちの性格も

あってどうしても鐘を鳴らす側にまわるのは仕方がない。

だからこそ、僕らは意識して鐘を鳴らさない側に座りたい。

鳴らしすぎると社会全体が必要以上に暗くなり、本質も見えなくなる。



その鐘を止めるのはあなた、なのだ。



「想定外」という言葉。震災以降よく耳にするようになった。否定的な

意味で使われることが多い。
僕は事業をたちあげて多くの「想定外」に

出会ってきた。そしてこのアドバイスに助けられてきた。




「想定外のことが起きることを、想定しておく」



ノーガードはもろに衝撃を受ける。あらかじめ心の準備をしておくと、

ショックは少なくてすむ。
これを知恵として知っていることと、覚悟

として腹に落としていることは、確かな差がある。


腹に落とすには、経験を重ねるしかない。



ロンドン五輪に沸いた2012年の夏。ある日の早朝のことだった。

突然、オフィスを兼ねている自宅に、
某県警サイバー犯罪防止課の

捜査員がやってきた。寝起き直後でまだ頭が働き始める前、玄関で

二通の
令状を読み上げられた。被疑者は「不詳」だが、僕の会社に

対する令状だった。



5分後、段ボールを
手にした捜査員8名が自宅に入り、家宅捜索が

始まった。不正アクセス防止法違反の容疑だった。
文字どおり寝耳に水。

いや、氷水というべき出来事。全く身に覚えがなかった。




(あとで分かったことだがシステムを預けていた会社の内部紛争の

飛び火だった。そのあと直ちに
システム会社を変更した。)



パソコンや携帯など一切の電子機器類、手帳やメモ、定款や契約書

など40数点が、つぎつぎに
段ボールに詰められ押収された。

頼んだ覚えはないが、労せず断捨離に成功だ。時計を見ると
午後2時を

まわっていた。事情聴取は七時間もかかっていた。




「今度はそうきたか」



捜査員が帰ったあと、ガランとした家の中を茫然と眺めながら

つぶやいた。喉が渇ききっていたことに
その時気づいた。朝からまだ

水一杯口にしていなかった。




容疑が完全に晴れるまで三ヶ月。捜査の名目で自分のサイトが停められた

こともあった。
悔しかった。メンバーには緊急メンテナンスと説明するし

かなかった。長い三ヶ月だった。




あれから三年。いま思えばあれは、注射のようなものだった。

事業のさらなる成長に必要な注射。
そして三ヶ月は、注射後の必要な

安静期間だった。




自暴自棄にならず、結果としてそういう期間に出来たのはなぜか。

創業から七年間、大小さまざまな
「想定外」のことを経験していたから

だろう。元々自分に備わっていた力ではない。




そしてこの事件にはもう一つの「想定外」があった。友人の会社にまで

家宅捜索が入ってしまったのだ。
従業員も何が何だかわからず混乱した

にちがいない。彼には善意で色々と事業の協力をしてもらっていた。


それに応えるどころか、とんでもない迷惑をかけてしまった。そのとき

友人は、動揺する社員に対して
即座にこう話したそうだ。



「根本が間違いを犯すはずがない。それは自分が保証する。

これはなにかの間違いだから、
とにかくまず落ち着くように。」



彼は社会人一年目からの同僚。いまはお互い会社を離れて時間が経って

いた。それにも関わらず
彼の熱い言動。なんと言っていいのか、言葉が

見あたらない。
これから僕が生きていく上で大事なものが、一つ増えた。

想定外のことがマイナスばかりではない。

これはかなりの想定外だった。


 

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